貸切バスの許可と違い、なかなかお目にかからない高速乗合バスの許可について簡単にご説明したいと思います。
その前に、高速乗合バスとは、一般乗合旅客自動車運送事業の路線定期運行であり、専ら一の市町村(特別区を含む。)の区域を超え、かつ、その長さが概ね50㎞以上の路線において、停車する停留所を限定して運行する自動車により乗合旅客を運送するものです。
この高速乗合バスの許可については、主に10項目の要件をクリアーする必要があります。
1.欠格事由 許可を受けることができない人
①1年以上の懲役又は禁錮を受けてから5年経過していない者
②一般旅客自動車運送事業又は特定旅客自動車運送事業の許可の取消しを受けてから5年経過していない者(許可を取り消された者が法人の場合は、その取消し処分を受ける原因となった事項が発生した時に役員として在任していた者も含む)
③申請会社の親会社、子会社、グループ会社が許可の取消しを受けてから5年経過していない者
④一般旅客自動車運送事業又は特定旅客自動車運送事業の許可の取消し処分に係る聴聞の通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に事業の廃止届出をした者で、その届出の日から5年経過していない者
⑤④における廃止届出があった場合に、一般旅客自動車運送事業又は特定旅客自動車運送事業の許可の取消し処分に係る聴聞の通知の日前60日以内にその届出に係る法人の役員であった者で、その届出の日から5年経過していない者
⑥監査等が行われた日から聴聞決定予定日までの間に事業の廃止届出をした者で、その届出の日から5年経過していない者
⑦未成年又は成年被後見人の場合、その法定代理人が③以外のいずれかに該当する者
⑧申請者が法人である場合、その役員が③以外のいずれかに該当する者
※法人の役員については、登記上の役員だけでなく、実質的に役員と同じかそれ以上の職権や支配力を持っている人も含みます。
2.法令遵守について
①常勤役員のどなたかが、一般乗合旅客自動車運送事業の遂行に必要な法令知識を有するものであるかどうかを確認する試験で合格すること。
②社会保険等加入義務者が社会保険に加入すること。
③申請者又は申請者が法人である場合にあってはその法人の業務を執行する常勤の役員が以下のすべてに該当するものであること等法令遵守の点で問題ないこと。
(イ)バス、トラック、タクシー事業の違反により申請日前3ヶ月間及び申請日以降に50日車以下の輸送施設の使用停止処分又は使用制限(禁止)の処分を受けた者ではないこと。注1
(ロ)バス、トラック、タクシー事業の違反により申請日前6ヶ月間及び申請日以降に50日車を超え190日車以下の輸送施設の使用停止処分又は使用制限(禁止)の処分を受けた者ではないこと。注1
(ハ)バス、トラック、タクシー事業の違反により申請日前1年間及び申請日以降に190日車を超える輸送施設の使用停止処分又は使用制限(禁止)の処分を受けた者ではないこと。注1
(二)自動車運転代行事業の違反により申請日前2年間及び申請日以降に営業の停止命令、承認の取消し又は営業の廃止命令の処分を受けた者ではないこと。注1
注1(イ)~(二)については、当該処分を受けた者が法人である場合における当該処分を受けた法人の処分を受ける原因となった事項が発生した当時、常勤の役員として在任していた者を含みます。
(ホ)バス、トラック、タクシー事業の違反により、輸送の安全確保、公衆の利便を阻害する行為の禁止、公共の福祉を阻害している事実等に関し、改善命令等を受けた場合にあっては、申請日前にその命令された事項が改善されていること。
(ヘ)申請日前1年間及び申請日以降に自らの責に帰する重大事故を発生させていないこと。
(ト)申請日前1年間及び申請日以降に特に悪質と認められる道路交通法の違反(酒酔い運転、酒気帯び運転、過労運転、薬物等使用運転、無免許運転、無車検(無保険)運行及び救護義務違反(ひき逃げ等)がないこと。
(チ)申請日前1年間及び申請日以降に放置行為、最高速度違反行為又は過労運転により、公安委員会から自動車使用制限命令を受けた者ではないこと。
(リ)旅客自動車運送事業等報告規則、貨物自動車運送事業報告規則、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律施行規則及び自動車事故報告規則に基づく各種報告書の提出を適切に行っていること。
(ヌ)申請者等が、一般旅客自動車運送事業又は特定旅客自動車運送事業の許可の取消しを受け、当該取消処分を受ける原因となった事項が発生した当時現に運行管理者であった者であって、申請日前5年間に運行管理者資格者証の返納を命じられた者ではないこと。
3.運行管理者、整備管理者の確保
運行管理者の要件
運行管理者に選任できるのは、旅客又は一般乗合の運行管理者資格者証を持っている人だけです。
※「保有台数÷40」の小数点以下を切り捨てて、プラス1した数が必要人数となります。
【車両台数1~39台】必要な運行管理者人数は最低1名
【車両台数40~79台】必要な運行管理者人数は最低2名
整備管理者の要件
①2年の実務経験があり、整備管理者選任前研修を受けている。
②国家資格の整備士を持っている。(1級から3級の中で、ガソリン、ジーゼル、シャシ、エンジンどれでも大丈夫です。)
※必要な整備管理者数は、運行管理者と異なり、台数がいくら増えても1人で大丈夫です。
4.運転者の確保
大型自動車第二種免許の取得者であること。
運転者として選任できない人
①日雇いの人
②二ヵ月以内の期間契約社員
③試みの使用期間中の人(ただし、14日を超えた人は大丈夫です。)
運転者の必要人数
バスの台数=<運転者の人数
5.営業所
①申請者が、土地、建物について3年以上の使用権原を有するものであること。
②建築基準法、都市計画法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。
③事業計画及び運行計画を的確に遂行するに足る規模のものであり、適切な運行管理が図られる位置にあること。
6.休憩、仮眠又は睡眠のための施設
①原則、営業所又は車庫に併設されていること。併設できない場合は、営業所及び車庫のいずれからも直線で2㎞の範囲にあって運行管理をはじめとする管理が十分可能であること。
②申請者が、土地、建物について3年以上の使用権原を有するものであること。
③建築基準法、都市計画法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。
④事業計画及び運行計画を的確に遂行するに足る規模を有し、適切な設備を有するものであること。
⑤着地において長時間停留する高速バス路線については、着地においても睡眠施設が確保されていること。
7.車庫
①原則、営業所に併設されていること。併設できない場合は、営業所から直線で2㎞の範囲にあって運行管理をはじめとする管理が十分可能であること。
②車両と自動車車庫の境界及び車両相互間の間隔が50㎝以上確保され、かつ、営業所に配置する事業用自動車の全てを収容できるものであること。
③他の用途に使用される部分と明確に区画されていること。
④事業用自動車の点検、清掃及び調整が実施できる充分な広さを有し、必要な点検等ができる測定用器具等が備えられているものであること。なお、前面道路が私道の場合にあっては、その私道の通行に係る使用権原を有する者の承認があり、かつ事業用自動車がその私道に接続する公道との関係においても車両制限令に抵触しないものであること。
⑤着地において長時間停留する高速バス路線については、着地においても自動車車庫又は駐車場が確保されていること。
⑥車庫の住所を管轄する都道府県警察本部の交通規制課等で使用にあたり、事前確認がとれていること。
8.車両
①乗車定員は、11人以上であり、かつ、事業計画及び運行計画を的確に遂行するに足るものであること。
②1営業所ごとに、最低5両の常用車及び1両の予備車(合計6両)
③対人無制限、対物200万円以上の任意保険に加入する計画があること。
9.停留所
①事業用自動車の運行上問題のないものであること。
②申請者が、原則として3年以上の使用権原を有するものであること。
③道路法、道路交通法等関係法令に抵触しないものであること。
10.資金計画
①所要資金の50%以上、かつ、②事業開始当初に要する資金の100%以上の自己資金が申請日以降常時確保されていること。
①所要資金
【車両費】 取得価格(未払金を含む)又はリースの場合は1年分の賃借料等
【土地費】 取得価格(未払金を含む)又は1年分の賃借料等
【建物費】 取得価格(未払金を含む)又は1年分の賃借料等
【機械器具及び什器備品】 取得価格(未払金を含む)
【運転資金】 人件費、燃料油脂費、修繕費等の2ヵ月分
【保険料等】 保険料及び租税公課(1年分)
【その他】 創業費等開業に要する費用(全額)
②事業開始当初に要する資金
①の車両費に係る頭金及び2ヵ月分の分割支払金、又は、リースの場合は2ヵ月分の賃借料等。ただし、一括払いによって取得する場合は①車両費と同額
①土地費及び建物費に係る頭金及び2ヵ月分の分割支払金、又は、2ヵ月分の賃借料及び敷金等。ただし、一括払いによって取得する場合は、①土地費及び建物費と同額
①機械器具及び什器備品、運転資金、保険料等、その他に係る合計額
事業計画や運行計画によって、変わってきますが、最低でも2,000万円~3,000万円の資金が必要となってきます。
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