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トラック運送業の巡回指導とは?全体的な流れや評価の判定基準などを徹底解説

1.トラック運送業の巡回指導とは?

巡回指導とは、運輸支局の監査担当が実施する監査ではなく、適正化実施機関(都道府県トラック協会)が貨物自動車運送事業の適正化を推進する目的で行われる指導です。
適正化事業実施機関は、行政処分を行う権限は持っていないので、直接に行政処分を行うことはありません。
しかし、違反内容や総合評価の結果等によって運輸支局へ報告することになるので、それを端緒に監査になることがあります。また、総合評価がD・Eの事業者については、半年以内に再度巡回指導が行われ、E評価にあっては増車が認可になり、事業規模の拡大申請ができなくなります。

2.巡回指導の流れ

トラック運送業巡回指導の流れ

トラック運送業の巡回指導 準備すべき書類についてはこちら

3.巡回指導における評価の判定基準

総合評価は、下記38項目について適否を判断し、「適」の割合で判定されます。
また、重点項目に指定されているものが1個でもNGだと1ランク下がります。(重点項目のNGは、重複しても1ランク下がるのみです。)

例えば、「適」が33項目で重点項目が1個NGの場合は、B判定からの1ランクダウンでC判定となります。

「適」の割合総合評価
90%以上適正(適35項目以上)A判定
80%~90%未満(適31項目以上)B判定
70%~80%未満(適27項目以上)C判定
60%~70%未満(適23項目以上)D判定
60%未満(適22項目以下)E判定

【貨物】チェック38項目-1

4.D・E評価の事業者について

総合評価がD・Eの事業者(営業所)には、半年に1回、巡回指導が行われます。
指摘事項に係る改善結果報告未提出の営業所、また3回続けてD・E評価の営業所は、管轄運輸支局へ報告され、監査・処分の対象となります。

E評価の事業者については、更に制約が発生します。

巡回指導による総合評価において「E」の評価を受けた場合その営業所では、事業用自動車の増車が評価を受けた日から1年間認可申請となります。また、事業規模の拡大となる認可申請も申請日前3ヵ月間又は申請日以降に「E」の評価を受けた場合は、申請ができません。

トラック巡回指導における低評価事業者について

5.運輸支局へ報告する事案

速報事案

①点呼を全く行っていない点呼の実施記録が全く保存されていない又は点呼の実施記録に係る帳簿に記録が全くされていない。
②運行管理者・整備管理者が全くいない営業所選任されている運行管理者が全くいない又は選任されている整備管理者が全くいない。(運行管理者及び整備管理者の資格者がいても、法令に基づく届出がされていない場合は、対象となります。)
③定期点検を全く行っていない営業所定期点検整備記録簿が全く保存されていない又は定期点検整備記録簿に記録が全くされていない。
④総合評価がEで、特定違反項目に未改善事項がある、または改善報告がない巡回指導総合評価がEで、改善報告に「点呼実施不適切」「過労防止措置不適切」「運転者が2名以上健康診断未受診」のいずれも未改善事項がある、またはいずれも改善報告がない営業所

定期報告事案

①巡回指導総合評価がEで、3ヵ月以内に改善報告が行われない、または一部に未改善事項がある営業所
②巡回指導を拒否した営業所
③新規巡回指導で、悪質な事業計画違反が疑われる営業所
④社会保険等未加入、または保険料未納がある営業所

相談事案

①名義貸し、白トラ利用等悪質であるが、構成要件該当性の判断が困難な法令違反が疑われる営業所
②記録の改ざんが疑われる営業所
③巡回指導総合評価がDで、3ヵ月以内に改善報告が行われない営業所
④その他相談が必要とする事案が認められる営業所

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