セーフティバス 申請条件でもある安全性に対する取組状況における法令遵守事項について解説します
貸切バス事業者安全性評価認定制度(セーフティバス)の申請条件の中に、「安全性に対する取組状況における法令遵守事項に関する違反がないこと」という項目があります。今回は、この「安全性に対する取組状況における法令遵守事項」とは、どのような内容かを解説していきます。
安全性に対する取組状況【法令遵守事項】とは
安全性に対する取組状況における法令遵守事項は、主に「事業計画」「帳票類の整備、報告等」「運行管理等」「車両管理等」「労基法等」「苦情処理」「保険加入」の項目で構成されています。
1.事業計画等
①営業所・車庫・休憩仮眠施設の位置は適正か。 |
②乗務員の休憩仮眠施設の収容能力は適正か。 |
③宿泊を伴う運行の際に乗務員の宿泊施設を必要に応じて確保しているか。 |
④乗務員の休憩仮眠施設の保守・管理は適正か。 |
2.帳票類の整備、報告等
①事故記録が適正に記録され、保存されているか。 |
②自動車事故報告書が適正に記録され、保存されているか。 |
③乗務員台帳が適正に記録され、保管されているか。 |
④運転者ではなくなった者の乗務員台帳が適正に保管されているか。 |
⑤車両台帳や車検証が適正に保管されているか。 |
⑥事業報告書、輸送実績報告書、安全情報報告書が提出されているか。 |
チェックポイント
⑥事業報告書、輸送実績報告書、安全情報報告書を提出していない事業者様が多いので注意しましょう。
事業報告書 | 毎事業年度の経過後100日以内 |
輸送実績報告書 | 毎年5月31日まで |
安全情報報告書 | 毎事業年度の経過後100日以内 |
3.運行管理等
①運行管理規定が制定されているか。 |
②乗務員の服務規程が制定されているか。 |
③運行管理者が選任され、届出されているか。 |
④運行管理者に所定の講習を受けさせているか。 |
⑤事業計画に従い、必要な数の運転者を確保しているか。 |
⑥勤務時間や乗務時間について改善基準告示を遵守しているか。また、交替運転者を適正に配置しているか。 |
⑦点呼の実施及びその記録、保存は適正か。また、点呼の際にアルコール検知器を使用しているか。 |
⑧乗務記録の作成・活用は適正か。 |
⑨運行記録計による記録及びその保存・活用は適正か。 |
⑩運行指示書の作成、指示、携行、保存は適正か。 |
⑪駐停車禁止場所での乗降を行わず、乗降時の安全確保に努めているか。 |
⑫営業区域を遵守した運送を行っているか。 |
⑬運送引受書の作成・交付・保存は適正か。 |
⑭乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか。また、ドライブレコーダーを導入しているか。 |
⑮特定の運転者全員に対して適性診断を受けさせているか。 |
⑯特定の全運転者に対して特別指導を行っているか。 |
チェックポイント
下記項目の違反により、申請条件を満たすことができないケースが非常に多いので注意しましょう。
④運行管理者に所定の講習を受けさせているか。 |
⑮特定の運転者全員に対して適性診断を受けさせているか。(特定診断Ⅰ又はⅡ、初任診断、適性診断) |
⑯特定の全運転者に対して特別指導を行っているか。(事故惹起運転者、初任運転者、高齢運転者) |
4.車両管理等
①整備管理規定が制定されているか。 |
②整備管理者が選任され、届出されているか。 |
③整備管理者に所定の研修を受けさせているか。 |
④日常点検基準を作成、これに基づき日常点検を適正に行っているか。 |
⑤定期点検基準を作成し、これに基づき適正に点検・整備を行い、点検整備記録簿が保存されているか。 |
チェックポイント
下記項目については、研修の開催日が少なく、すぐ予約で埋まってしまうので、早めに申し込みをしましょう。
5.労基法等
①就業規則が制定され、届出されているか。 |
②36協定が締結され、届出されているか。 |
③労働時間、休日労働について違法性はないか。(運転時間を除く) |
④所要の健康診断を実施し、その記録・保存が適正になされているか。 |
チェックポイント
下記項目については、届出をし忘れているケースが多いので注意しましょう。
①就業規則が制定され、届出されているか。 |
②36協定が締結され、届出されているか。 |
6.苦情処理
苦情に対して、遅滞なく弁明し、その記録・保存が適正になされているか。 |
7.保険加入
①社会保険等に適切に加入しているか。 |
②賠償責任保険等(対人の限度額が1事故につき無制限、対物の限度額が1事故につき200万円以上のもの)に加入しているか。 |