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貸切バス 運賃・料金の計算方法を理解していますか?今さら聞けない基本を徹底解説

今や当たり前になっている貸切バスの運賃・料金の計算方法ですが、未だに理解されていない方(特に旅行会社の方)が多いため、ここで再度解説をしていきたいと思います。運賃・料金についての違反(下限割れ、割戻し)は、処分に直結しますので、しっかりと計算方法等を理解した上で、適正な運賃・料金での申し込み/引き受けを心がけましょう。

運賃・料金の基準額

今回は、公示運賃(関東運輸局管内)を届出している前提で考えていきます。

関東運輸局基準額

計算方法

時間制運賃+キロ制運賃+該当する料金+消費税となります。

<運賃について>

時間制運賃

①出庫及び帰庫後の点呼・点検時間として、1時間ずつ合計2時間と、走行時間(出庫から帰庫までの拘束時間をいい、回送時間を含む。)を合算した時間に1時間あたりの運賃額を乗じる。
②2日以上にわたる運送で宿泊を伴う場合、宿泊場所到着後及び宿泊場所出発前の1時間ずつを点呼・点検時間とする。
③フェリーボートを利用した場合の航送にかかる時間(乗船してから下船するまでの時間)は8時間を上限として計算する。(改善基準告示では、原則フェリー乗船中の時間は休息期間として取り扱うことになっていますが、8時間までは、時間制運賃を収受しなければなりません。)

キロ制運賃

走行距離(出庫から帰庫までの距離をいい、回送距離を含む。)に1キロあたりの運賃額を乗じます。

<運賃計算の基本>
①運賃は、車種別に計算した金額の基準額以上とします。(車種別とは、大型、中型、小型、コミューター車)
②運賃は、営業所の所在する出発地の運賃を基礎として計算します。(今回の関東運輸局管内であれば、東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、栃木、茨城、山梨)

<料金について>

深夜早朝運行料金

22時以降翌朝5時までの間に点呼・点検時間、走行時間(回送時間を含む)が含まれた場合、含まれた時間に係る1時間あたりの時間制運賃及び交替運転者配置料金の1時間あたり料金については、2割の割増を適用すること。

特殊車両割増料金

次の条件を有する車両については、設備や購入価格等を勘案した割増率を適用することができます。

①標準的な装備を超える特殊な設備を有する車両。(リフト付車両等)
②当該車両購入価格を座席定員で除した単価が、標準的な車両購入価格を標準的な座席定員で除した単価より70%以上高額である車両。

交替運転者配置料金

法令により交替運転者の配置が義務付けられる場合、その他、交替運転者の配置について運送申込書と合意した場合には、届け出た交代運転者配置料金の基準額以上で計算した額を適用すること。
なお、交代運転者が交替地点まで車両に同乗しない場合であっても、同乗したものとして料金を適用すること。

<その他注意点>

注意点

①走行距離の端数については、10キロ未満は10キロに切り上げる。
②走行時間の端数については、30分未満は切り捨て、30分以上は1時間に切り上げる。
③収受すべき運賃・料金は、計算された額に対する消費税(1円単位に四捨五入)を含むこと。

実際に運賃・料金の計算をしてみましょう!

貸切バス運賃料金計算例

パターン①

<時間制運賃>
走行時間10時間30分+点呼・点検時間2時間=12時間30分➡30分以上は切り上げとなるので13時間で考える。
6,580円×13時間=85,540円

<キロ制運賃>
走行距離405㎞➡10キロ未満は10キロに切り上げるので410㎞で考える。
160円×410㎞=65,600円

<料金>
該当料金なし

85,540円65,600円151,140円
消費税151,140円×10%=15,114円
151,140円+15,114円=166,254円以上で運賃・料金を収受する必要があります。

貸切バス運賃料金計算例

パターン②

<時間制運賃>
走行時間13時間+点呼・点検時間2時間=15時間
6,580円×15時間=98,700円

<キロ制運賃>
走行距離650㎞
160円×650㎞=104,000円

<深夜料金>
時間制運賃6,580円×20%(深夜割増)=1,316円
1316円×深夜時間2時間=2,632円
交替運転者配置料金時間制運賃2,430円×20%(深夜割増)=486円
486円×深夜時間2時間=972円
合計 2,632円+972円=3,604円

<交替運転者配置料金>
時間制運賃2,430円×走行時間15時間=36,450円
キロ制運賃40円×走行距離650㎞=26,000円
合計 36,450円+26,000円=62,450

98,700円104,000円3,604円62,450円268,754円
消費税268,754円×10%=26,875円
268,754円+26,875円=295,629円以上で運賃・料金を収受する必要があります。

貸切バス運賃料金計算例

パターン③

<時間制運賃>
走行時間2時間+点呼・点検時間2時間=4時間➡走行時間が3時間未満なので3時間になり5時間で考える。
6,580円×5時間=32,900

<キロ制運賃>
走行距離50㎞
160円×50㎞=8,000

<料金>
該当料金なし

32,900円8,000円40,900円
消費税40,900円×10%=4,090円
40,900円+4,090円=44,990円以上で運賃・料金を収受する必要があります。

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