臨時営業区域の拡大については、訪日外国人旅行者(インバウンド)限定の移動手段として対応する場合、リフト付きバスを使用する場合、国又は地方公共団体からの要請がある大規模イベント等に該当する場合に設定が可能です。
今回は、その中で訪日外国人旅行者(インバウンド)に関する臨時営業区域の拡大について説明していきたいと思います。
対象事業者及び認可期間、営業区域等について
対象事業者
公益社団法人日本バス協会が実施している貸切バス事業者安全性評価認定を受けた貸切バス事業者であって下記事項に該当しないこと。
①道路運送法第7条各号(懲役や禁固、許可の取消し等)に該当していないこと |
②バス、トラック、タクシー事業の違反により申請日前3ヶ月間に50日車以下の輸送施設の使用停止処分又は使用制限(禁止)の処分を受けていないこと |
③バス、トラック、タクシー事業の違反により申請日前6ヶ月間に50日車を超え190日車以下の輸送施設の使用停止処分又は使用制限(禁止)の処分を受けていないこと |
④バス、トラック、タクシー事業の違反により申請日前1年間に190日車を超える輸送施設の使用停止処分又は使用制限(禁止)の処分を受けていないこと |
⑤申請日前1年間に自らの責に帰する重大事故を発生させていないこと |
⑥申請日前1年間に特に悪質と認められる道路交通法の違反(酒酔い運転、酒気帯び運転、過労運転、薬物等使用運転、無免許運転、無車検(無保険)運行及び救護義務違反(ひき逃げ等)がないこと |
⑦旅客自動車運送事業報告規則及び自動車事故報告規則に基づく各種報告書の提出を適切に行っていること |
別の法人で②~④に該当する処分を受けた時に、その法人で業務を執行する常勤の役員として在任していた者が現在申請する法人の役員でないこと |
認可期間
現在は、認可日から令和7年3月末日までとなっていますが、毎年年度末に改正があり1年間の自動延長のような状態になっています。(期間については、必ず改正されるわけではないので、随時確認しましょう。)
営業区域
臨時営業区域については、下記①又は②で設定できます。
<例①> 営業所が所在する区域を管轄する運輸局の管轄区域を臨時営業区域とすることができます。 |
<例②> 営業所が所在する府県に隣接する下記①~③を運輸局の管轄区域にかかわらず臨時営業区域とすることができます。 |
①陸地で接する府県 ②架橋により接する県(兵庫県及び徳島県、岡山県及び香川県、広島県及び愛媛県、山口県及び福岡県) ③青森県、秋田県、岩手県、宮城県、山形県又は福島県を営業区域とする事業者は北海道 |
対象とする旅客の範囲
訪日外国人旅行者
手続きの流れ
必要書類
①臨時営業区域の設定に係る事業計画の変更認可申請書
②運行管理等計画書
③宣誓書
④貸切バス事業者安全性評価認定書の写し
⑤運賃・料金の届出書の写し又は運賃・料金の設定届出書(下記参照)
<営業所が所在する区域を管轄する運輸局の管轄区域を臨時営業区域とする場合> <例①>に該当 すでに本来の営業区域において届出をした運賃・料金を適用する場合は、添付不要です。 |
<営業所が所在する府県に隣接する道府県を運輸局の管轄区域にかかわらず臨時営業区域とする場合> <例②>に該当 当該隣接道府県を管轄する各地方運輸局長が公示する変更命令の審査を必要としない運賃・料金又はすでに本来の営業区域において届出をした運賃・料金のいずれかを選択できます。その際、当該隣接道府県を管轄する各地方運輸局長が公示する変更命令の審査を必要としない運賃・料金を選択した場合は、その運賃・料金設定届出書を添付します。すでに本来の営業区域において届出をした運賃・料金を選択した場合は、その運賃・料金設定届の写しを添付します。 (例)栃木営業所があり、隣接県の福島県を臨時営業区域とする場合は、届出済の関東運輸局公示運賃の写しを添付するか、東北運輸局の公示運賃で運賃・料金設定届出書を作成して、そちらを添付するかということです。 |
提出先
<例①>に該当する場合は、臨時営業区域を管轄する地方運輸局に直接提出(この場合は、関東運輸局)
<例②>に該当する場合は、隣接する道府県を管轄する地方運輸局に直接提出(この場合は、東北運輸局)
認可申請の扱いですが、認可は、即日行うこととなっています。
認可に付される条件
①取扱旅客は訪日外国人旅行者に限る。 |
②運行管理等計画書の記載事項を変更しようとするときは、あらかじめ報告すること。 |
③貸切バス事業者安全性評価認定制度による認定の取消又は失効(以下。「認定の取消等」という。)があった場合はには、認定の取消等の後1ヵ月以内に臨時営業区域の設定を行わない旨の事業計画とする事業計画の変更認可申請をしなければならない。 |
④令和7年2月15日までに、令和6年2月1日~令和7年1月31日までのこの認可に係る輸送実績報告書を提出すること。また、臨時に報告を求められた場合には直ちに報告を行うこと。なお、いずれも提出期限が厳守すること。 認可期間は、毎年年度末に改正があり1年間の自動延長のような状態になっています。それに合わせてこちらの提出期日も自動で変更になりますので、随時確認しておきましょう。 |