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貸切バス事業者安全性評価認定制度の内容が大きく変わります!変更点や注意事項を詳しく解説

2024年度申請より一部先行実施されていますが、大きく内容等が変わるのは2025年度の申請からとなります。
まだ、細かい箇所まで公表されていなので、現時点で大きく変更となった点や注意事項について詳しく解説していきたいと思います。

最高評価を三ツ星から五ツ星に変更

今までは、最高評価三ツ星で3段階で評価してきましたが、これが最高評価五ツ星の5段階評価となります。

安全性評価認定制度認定種別

昇格について

新規の事業者は、60点以上で一ツ星となります。(70点を取得しても二ツ星からのスタートとはなりません。)
その後、2年毎の更新で該当する点数を取得すれば、段階的に昇格していきます。

降格について

審査結果により降格となる場合は、点数レベルの種別にて認定されます。

<例>
現在、三ツ星の事業者が更新で75点を取得した場合は、二つ星へ降格。もし65点なら一ツ星へ降格となります。現行は一気に一ツ星に降格となるため、この箇所についてはプラスになったと思われます。

配点が大幅に変更

法令遵守は当たり前、配点ゼロ

現行は法令が遵守されていることを「法令遵守事項」にて確認し、遵守されていれば20点がもらえましたが、新制度では、この点数がなくなります(0点)。法令遵守は当たり前のことなので、ここで点数をあげる必要はないということです。

安全性に対する取組状況(上位事項)

現行の配点は、40点でしたが55点に変更となっています。今までは、法令遵守事項が遵守されていれば、難無く20点を取得できましたが、この配点が0点になった分をここで稼がないといけなくなりました。

運輸安全マネジメント

現行の配点は、20点でしたが25点に変更となっています。

違反(行政処分)の実績と事故の実績

違反(行政処分)の実績に対する配点の変更ありません。事故の実績に対する配点が大きく変わっています。

現行は配点10点について、10点を上限に累積違反点数に応じて減点していましたが、上限をなくし累積違反点数に応じて無制限に減点することになりました。
<例>
累積違反点数15点(150日車)の場合
事故の実績配点10点ー累積違反点数15点=-5点(配点を超えて減点)

変更後の配点まとめ

①違反(行政処分)の実績 <配点10点>
②事故の実績 <配点10点>
③安全性に対する取組状況(上位事項) <配点55点>
④運輸安全マネジメント取組状況 <配点25点>

合計 配点100点

安全に対する取組状況(上位事項)変更・追加項目について

<変更項目詳細>

3運行管理等
U⑥‐2 配点2点
拘束時間、休息期間、連続運転時間について「改善基準告示」よりも厳しい社内基準を設定し、遵守しているか
(提出単位:事業者)
※勤務実績一覧に改善基準告示違反がある場合は評価しない
U⑦-1 配点2点
【対面点呼時】(提出単位:営業所)
全ての営業所において、アルコール検知器の測定データがパソコン等に保存され、かつ記録紙(乗務員名(ID番号)・日時・検知結果)の再出力が可能な高性能タイプのアルコール検知器を使用しているか
※測定結果が数値で表示されない等の簡易型のアルコール検知器を使用している場合は評価しない
U⑦-2 配点2点
【非対面点呼時】(提出単位:営業所)
宿泊地での飲酒禁止が社内規定等で定められており、モバイルアルコール検知器から測定データが即時に営業所のパソコン等に転送され、点呼日時、乗務員氏名(ID番号)、検知結果が保存される等、高性能タイプを使用している場合
※測定結果が数値で表示されない簡易型のアルコール検知器を使用している場合は評価しない
U⑨-2 配点4点
衝突被害軽減ブレーキ装置を導入し装着しているか
(提出単位:事業者)
総車両数のうち
①装着率:2割未満の場合 0点
②装着率:2割以上5割未満の場合 2点
③装着率 5割以上の場合 4点
U⑮-2 配点2点
国土交通大臣が認定する「適齢診断」を65歳以上75歳未満の全運転者に対し2年に1回以上受診させているか
(提出単位:事業者)
①2年に1回受診 1点
②毎年受診 2点
5労基法等
U③-1 配点2点
全従業員に対し、1年に1回以上2年連続で労基法・改善基準告示の教育を行っているか
(提出単位:事業者)
U④-1 配点1点
運転者の健康状態や疲労状況の把握等に効果が高い携帯型心電計、居眠り警報装置等の機器を1台以上導入しているか
(提出単位:事業者)
U④-2 配点8点
健康起因事故防止対策に有効な4種類のスクリーニング検査について、国土交通省作成のガイドライン(マニュアル)に基づき取扱規定を作成し、その規定に基づき健康管理を実施しているか
(提出単位:事業者)
次の①~④で各2点
①睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル
②脳血管疾患対策ガイドライン
③心臓疾患・大血管疾患対策ガイドライン
④視野障害対策マニュアル

取扱規定を作成し、その規定に基づいて健康管理を実施しており、その結果として検査対象者がいない場合等については、検査を受診していなくても評価する。
検査を受診している場合は、取扱規定、健康管理の実施状況を記した書類(運転者数、検査対象者数、検査受診者数、治療者数を記した書類)、受診の請求書若しくは領収書等を提出すること。
検査対象者はいない場合は、取扱規定、健康管理の実施状況を記した書類(運転者数、検査対象者数、検査受診者数、治療者数を記した書類)を提出することで評価するが、検査対象者がいるにもかかわらず受診していない場合は評価しない。

<追加項目詳細>

3運行管理等
U⑨-3 配点4点
衝突被害軽減ブレーキ以外の先進安全自動車(ASV)装置を導入し装着しているか
(提出単位:事業者)
次の対象装置のうち1両につき2種類以上の装置を装着した車両割合に応じて加点
・ふらつき注意喚起装置
・車線逸脱警報装置
・車線維持支援制御装置
・車両安定性制御装置
・ドライバー異状時対応システム
・先進ライト
・側方衝突警報装置
・統合制御型可変式速度超過抑制装置
・アルコール・インターロック
・事故自動警報システム
総車両のうち
①装着率:2割未満の場合 0点
②装着率:2割以上5割未満の場合 2点
③装着率:5割以上の場合 4点
5労基法等
U③-2 配点1点
国土交通省が公表している「貸切バス事業者の安全情報」において、全ての営業所の正規雇用の運転者の平均給与月額が最上位のランクであるか
(提出単位:営業所)

運輸安全マネジメント取組状況 変更項目について

<変更項目詳細>

D 実施 ⑤輸送の安全に関する研修等を実施しているか
評価基準10 配点1点
運転者に対して、安全運行に必要な教育・訓練を定期的に実施し、記録しているか
評価基準11 配点2点
経営者は、安全に係る者に、外部機関が主催する輸送の安全に関する研修会・講習会等を受講させているか
(1)国土交通省の認定セミナーを受講した場合は2点
(2)国土交通省の認定セミナー以外の受講は1点
評価基準12 配点3点
運転者の安全に資する技能(運転実技)等の向上に努めているか
より高度な実技訓練を実施している場合は3点、それ以外は2点
<例>より高度な訓練
・安全運転中央研修所、クレフィール湖東等専門機関での訓練
・雪上での走行訓練
・山岳道路(長い下り坂等)での走行訓練
評価基準13 配点1点
運転者に対して次の内容の教育及び研修を実施しているか
・運転者等の年齢、経歴、能力に応じたもの
・一方的な講義ではない方式(知識普及、問題解決、参加体験型)

<Click>セーフティバス 安全性に対する取組状況における法令遵守事項についてはこちら

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