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貸切バスを始めるために押さえるべきポイントをゆる~く解説します

貸切バス(一般貸切旅客自動車運送事業)の許可を取るには、審査基準等を理解した上で様々な要件をクリアーしなければいけません。ここでは、そんな複雑な要件を分かりやすく解説していきます。

1.欠格要件や法令遵守事項について

ここでは、全てを細かく解説しませんが、欠格要件に該当する方や法令遵守に問題がある方(法人の場合は、役員全員が対象)がいる場合は、許可要件を満たしません。

欠格要件

主に一年以上の懲役又は禁固の刑を受けた方、過去に一般旅客自動車運送事業(バス、タクシー)又は特定旅客自動車運送事業の取消しを受けた方、過去に在籍していた法人で一般旅客自動車運送事業(バス、タクシー)又は特定旅客自動車運送事業の取消しを受けた時に役員であった方、過去に一般旅客自動車運送事業(バス、タクシー)又は特定旅客自動車運送事業の取消し処分が下される前に事業を廃止した方は、欠格要件に該当する可能性があります。また、過去にグループ会社等が一般旅客自動車運送事業(バス、タクシー)又は特定旅客自動車運送事業の取消しを受けている場合なども欠格要件に該当する可能性があります。

法令遵守

バス、トラック、タクシー事業の違反により許可申請の前や後に車両停止以上の処分を受けた場合(申請者が法人の場合は、役員の中に他の法人で常勤役員として在任している又は在任していた時にその法人でバス、トラック、タクシー事業の違反により車両停止以上の処分を受けた際は、その処分も該当する可能性があります。)は、許可要件を満たさない可能性があります。

2.人の要件について

貸切バス(一般貸切旅客自動車運送事業)を始めるには、運行管理者、整備管理者、安全統括管理者、運転者が揃っていないと要件を満たしません。

運行管理者

運行管理者に選任できるのは、旅客又は一般貸切の運行管理者資格者証を持っている人だけです。
現在は、実務経験で一般貸切の運行管理者資格者証は取得できないので、旅客の運行管理者資格者証を持っている人がほとんどです。運行管理者の必要人数は、管理する事業用自動車の台数によって変わりますが、最低2名からとなります。

整備管理者

整備管理者に選任できるのは、下記①又は②に該当する人だけです。
①2年の実務経験があり、整備管理者選任前研修を受けている。
②国家資格の整備士を持っている。(1級から3級の中で、ガソリン、ジーゼル、シャシ、エンジンどれでも大丈夫です。)
整備管理者の必要人数は、運行管理者と異なり、台数がいくら増えても1人で大丈夫です。

安全統括管理者

運行管理者や整備士のような国家資格はありませんが、主に旅客自動車運送事業(タクシーを除く)で運行管理業務(運行管理者や補助者)や整備管理業務(整備管理者や補助者)を通算して3年以上従事した経験がある人が選任の要件となります。安全統括管理者は、1名いれば大丈夫です。
旅客自動車運送事業ではないトラック事業や整備工場等での経験は該当しないので注意しましょう。

運転者

大型自動車第二種免許の取得者で、配置する事業用自動車の台数以上の運転者を確保する必要があります。

下記①から③は、運転者として選任できないので注意が必要です。
①日雇いの人
②二ヵ月以内の期間契約社員
③試みの使用期間中の人(ただし、14日を超えた人は大丈夫です。)

3.車の要件について

車種区分については、大型車、中型車、小型車、コミューター車の4区分あり、最低3両から始めることができます。

最低車両数について

営業所を要する営業区域毎に最低3両から始めることができますが、大型車を使用する場合は、5両必要となります。

4.営業所、休憩仮眠施設の要件について

営業所や休憩仮眠施設として使用する建物は何でもいいわけではありません。借りた後に営業所や休憩仮眠施設として使用できないケースが多々ありますので、しっかりと要件を確認しておきましょう。

営業所、休憩仮眠施設について

用途地域が都市計画法・建築基準法等に関して問題ないかが重要なポイントです。営業所や休憩仮眠施設として使用する建物が営業所や休憩仮眠施設として使用可能な地域であるかということです。例えば市街化調整区域内では、原則営業所や休憩仮眠施設として使用することが不可能です。この点については、事前に各市区町村等に念入りに確認しておきましょう。また、原則として休憩仮眠施設は、営業所又は車庫に併設するものですが、併設できない場合は、営業所及び車庫のいずれからも直線で2㎞以内で用意する必要があります。

5.車庫の要件について

車庫は営業所とは違い、有蓋車庫(屋根付き)でなければ市街化調整区域でも問題ありません。ですが農地(田・畑)は認められません。山林、雑種地は可能です。車庫出入口の前面道路の必要幅員を満たせず、営業所と同じように借りた後で使用できないケースが多々ありますので、ここもしっかりと確認しておきましょう。

車庫について

車庫は、原則として営業所に併設するものですが、併設できない場合は、営業所から直線で2㎞以内で用意する必要があります。また、車両と自動車車庫の境界及び車両相互間の間隔が50㎝以上確保され、かつ、営業所に配置する事業用自動車の全てを収容できるものでないといけません。

車庫出入口の前面道路について

車庫出入口の前面道路が車両制限令に抵触しないこと。「車両制限令」という法令で前面道路の必要幅員が定められており、貸切バス(一般貸切旅客自動車運送事業)の許可審査の際、この要件を満たす道路であるか確認されます。国道の場合は、幅員寸法不問の所が多く、基本的には6.5mの幅員があれば幅2.5mまでの車両の通行は問題ありません。事前に車庫出入口の前面道路を管理する道路管理者へ幅員の確認を行いましょう。

6.お金の要件について

貸切バス(一般貸切旅客自動車運送事業)を始めるにあたり、車両費や人件費等の運転資金をまかなうだけの預金があることが求められます。

必要な運転資金について

車両費、土地費、建物費、人件費等、事業を始めるにあたり必要な資金があるかどうか確認されます。
始める規模や用意する車両が購入又はリースなのか等によって全然変わってきますが、大体2000万円から3000万円ぐらいのケースが多いです。預金で2000万円から3000万円があり、その残高証明を提出することになります。

7.申請者の財務状況について

申請者の財務状況に注意

許可を申請する年の直近1事業年度において申請者の財務状況が債務超過ではないこと。

8.法令試験について

貸切バス(一般貸切旅客自動車運送事業)を始めるにあたり適正に事業を遂行するために必要な法令知識を持っているか確認するための試験を受ける必要があります。

法令試験について

申請者又は申請者が法人の場合はその法人の代表権を有する常勤の役員が受けることになります。トラック(一般貨物自動車運送事業)では、常勤役員であれば誰でも受験できましたが、貸切バスについては代表権を持っている役員のみとなります。

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