運輸支局の監査結果による処分は、主に自動車等の使用停止処分、事業の停止処分、許可の取消処分があります。
今回は、その中でも最も多いであろう自動車等の使用停止処分について解説していきます。
1.自動車等の使用停止処分とは?
まず自動車等の使用停止処分とは、原則として、違反営業所又は違反に係わるその他営業所等(当該違反行為に係わる行政処分等を受ける前に、違反営業所に所属する事業用自動車を移動した移動先営業所、事業者たる法人の分割又は事業の譲渡により、当該違反事業者の違反営業所に係わる運送事業の承継があった場合に該当する営業所等)に所属する事業用自動車について、処分日車数に基づき6月以内の期間を定めて使用の停止を行うものです。
2.処分日車数における使用を停止する車両数及び使用を停止する期間について
使用を停止する車両及び使用を停止する期間については、「一般貸切旅客自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について」下記のように記載されています。
「一般貸切旅客自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について」一部抜粋
使用停止車両数は、違反営業所に所属する事業用自動車数(監査時点又は処分時点のもののうちいずれか多い方とする。)に0.8を乗じ、小数点以下を切り捨てた整数値とする。なお、これにかかわらず、当該整数値が処分時点の事業用自動車数と同数、又は上回った場合は、処分時点の事業用自動車数から1両を減じた数とし、当該整数値が処分日車数と同数、又は上回った場合は、処分日車数と同一とするとともに、違反営業所に所属する事業用自動車数が処分時点において1両である場合は、1両とする。
停止期間は、処分日車数を前段の使用停止車両数で除し、小数点以下を切り捨てた整数値の日数とする。なお、切り捨てがある場合、停止期間を1日追加するとともに、追加日(当該停止期間の翌日をいう。)における使用停止車両数は、前段の使用停止車両数と当該整数値を乗じ、これを処分日車数から減じた数とする。
ただし、上記により算出された停止期間が6月を超える場合は、処分時点の事業用自動車数を限度に使用停止車両数を追加する。
例を参考に解説していきます。
A事業者の本社営業所(11台所有)が100日車の自動車等の使用停止処分を受けた場合
<使用停止車両数>
・11台×0.8=8.8台 小数点以下切り捨てのため8台停止
<停止期間>
・100日車÷8台=12.5日 小数点以下切り捨てのため12日
※切り捨てがある場合、停止期間が1日追加となり追加日が加算される使用停止車両数は、以下の通り
8台(前段の使用停止車両数)×12日(当該整数値)=96日車
100日車-96日車=4日車(追加1日は4台停止)
<結果> 使用停止車両数:8台 停止期間:4台が12日・4台が13日 |