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厳しくなります!自家用自動車(白ナンバー)を保有する事業者への注意事項を詳しく解説

2022年4月から2023年12月にかけて自家用自動車(白ナンバー)に関連する法令が大きく変わりました。また、2024年4月からは、改善基準告示の内容も変更となります。今回は、この法令等と対象事業者について解説していきます。

1.安全運転管理者等の選任義務とアルコールチェックの実施義務

対象者

下記のいずれかを満たす場合は、安全運転管理者等の選任とアルコールチェックの実施が必須となります。

①白ナンバーの車を5台以上使用
②定員11人以上の車を1台以上使用

※バイク等の自動二輪車(原付を除く)は1台を0.5台としてカウントします。

安全運転管理者等の選任義務

安全運転管理者は、自動車の使用の本拠(事業所等)ごとに、選任が必要になります。副安全運転管理者については、車両台数が19台までの場合は選任不要です。選任が必要な台数は20台以上とし、20台毎に1人の追加選任が必要となります。

<安全運転管理者等の要件>

安全運転管理者副安全運転管理者
20歳以上
(副安全運転管理者が置かれる場合は30歳以上)
20歳以上
自動車の運転の管理に関し2年以上の実務の経験を有する者等自動車の運転の管理に関し1年以上の実務の経験を有する者等

<欠格事項>

・過去2年以内に都道府県公安委員会による安全運転管理者等の解任命令を受けた者
・次の違反行為をして2年経過していない者
酒酔い・酒気帯び運転、麻薬等運転、妨害運転、無免許運転、救護義務違反、飲酒運転に関し車両等を提供する行為、酒類を提供する行為及び要求・依頼して同乗する行為、無免許運転に関し自動車等を提供する行為及び要求・依頼して同乗する行為、自動車の使用制限命令違反
・次の違反を下命・容認してから2年経過していない者
酒酔い・酒気帯び運転、麻薬等運転、過労運転、無免許運転、大型自動車等の無資格運転、最高速度違反、積載制限違反運転、放置駐車違反

<安全運転管理者等の選任の届出>

安全運転管理者等を選任したときは、選任した日から15日以内に都道府県公安委員会に届け出なければいけません。

安全運転管理者等の業務

①運転者の状況把握
②安全運転確保のための運行計画作成
③長距離、夜間運転時の交代要員の配置
④異状気象時等の安全確保の措置
⑤点呼等による過労、病気その他正常な運転をすることができないおそれの有無の確認と必要な指示
運転者の酒気帯びの有無の確認(目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いた確認を実施
酒気帯びの有無の確認内容の記録・保存(1年間)、アルコール検知器の常時有効保持
⑧運転日誌の備え付けと記録
⑨運転に対する安全運転指導

2.自家用自動車(白ナンバー)の運転者も改善基準告示の対象となる場合があります。

改善基準告示とは、何なのか?正式には、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」という名称で、長時間労働の実態にあるバスやトラックなどの自動車運転者について、労働時間等の労働条件の向上を図るため、労働基準法に基づく労働時間規制とは別に、その業務の特性を踏まえて拘束時間、休息期間、運転時間等の基準を定めたものです。

対象となる自家用自動車(白ナンバー)の運転者

改善基準告示の対象者は、労働基準法の労働者のうち、四輪以上の自動車の運転業務に主として従事している者です。「自動車運転の業務に主として従事する」とは、個別の事案の実態に応じて判断されますが、人又は物品を輸送するために自動車を運転する時間が、現に労働時間の半分を超えており、かつ、当該業務に従事する時間が年間総労働時間の半分を超えることが見込まれる場合を指します。
よって、旅客自動車運送事業や貨物自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者であって、自家用バス・自家用普通乗用車・自家用トラック等(白ナンバー)で人や物品を輸送する運転者も対象となることがあります。

<改善基準告示に関する資料はこちら>

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