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高速乗合バス その車両、移動円滑化基準適用除外認定を受けていますか?

一般乗合旅客自動車運送事業者(路線定期運行に限る)が旅客の運送を行うために使用する車両については、移動等円滑化のために必要な車両等の構造及び設備に関する基準が定められています。ですが、高速乗合バスに使用される車両は、この基準に適合することが難しいため特別な申請をする必要があります。これが「移動円滑化基準適用除外認定申請」です。今回は、この「移動円滑化基準適用除外認定申請」について解説していきます。

1.移動等円滑化のために必要な車両等の構造及び設備に関する基準とは?

移動円滑化のために必要な旅客施設又は車両等の構造及び設備に関する基準を定める省令の第37条~第42条が該当します。本来、一般乗合旅客自動車運送事業者(路線定期運行に限る)は、この基準に適合した車両を使用しなければいけません。

第37条(乗降口)

①乗降口の踏み段の端部の全体がその周囲の部分と色の明度、色相又は彩度の差が大きいことにより踏み段を用意に識別できること。
②乗降口の幅は、80㎝以上であること。
③スロープ板その他の車椅子使用者の乗降を円滑にする設備が備えられていること。

第38条(床面)

①床面の地上面からの高さは、65㎝以下であること。
②床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。

第39条(車椅子スペース)

①車椅子使用者が円滑に利用できる位置に手すりが設けられていること。
②車椅子使用者が利用する際に支障となる段がないこと。
③車椅子を固定することができる設備が備えられていること。
④車椅子スペースに座席を設ける場合は、当該座席は容易に折り畳むことができるものであること。
⑤他の法令の規定により旅客が降車しようとするときに容易にその旨を運転者に通報するためのブザーその他の装置を備えることとされているバス車両である場合は、車椅子使用者が利用できる位置に、当該ブザーその他の装置が備えられていること。
⑥車椅子スペースである旨が表示されていること。
⑦上記の内容以外に長さ、幅等について国土交通大臣の定める基準に適合するものであること。

第40条(通路)

①乗降口と車椅子スペースとの間の通路の幅(容易に折り畳むことができる座席が設けられている場合は、当該座席を折り畳んだときの幅)は、80㎝以上であること。
②通路には、国土交通大臣が定める間隔で手すりを設けること。

第41条(運行情報提供設備等)

①バス車両内には、次に停車する停留所の名称その他の当該バス車両の運行に関する情報を文字等により表示するための設備及び音声ににより提供するための設備を備えること。
②バス車両には、車外用放送設備を設けること。
③バス車両の前面、左側面及び後面に、バス車両の行き先を見やすいように表示すること。

第42条(意思疎通を図るための設備)

バス車両内には、聴覚障害者が文字により意思疎通を図るための設備を備えること。この場合においては、当該設備を保有している旨を当該バス車両内に表示すること。

2.移動円滑化基準適用除外認定申請とは?

移動円滑化基準適用除外認定申請とは、上記基準の適合が難しい高速乗合バスに対して、赤字以外の基準を適用除外するための申請です。高速乗合バス等は、移動円滑化基準適用除外自動車の認定要領の中で、以下の理由に該当する場合にこの申請をすることができます。

該当理由

高速バス、定期観光バス、空港等アクセスバスその他の床下に収納スペースを設ける必要があること等により低床化が困難であり、かつ通常利用する乗降口を自動車の左側面の前部にしか設けることができない自動車

空港アクセスバスのうち、空港を経路に含む路線において、乗合旅客を運送する自動車に係る基準適用除外の認定の申請を行う場合は、別途「空港アクセスバスにおける移動円滑化基準適用除外の認定に関する取扱いについて」の要件を満たす必要があるので注意してください。

申請に必要なもの

①移動円滑化基準適用除外認定申請書 第1号様式(第5関係)
②主な運行経路図(運行系統表、運行系統図等)
③自動車検査証写し
④車両外観図(乗降口の幅、床面の地上面からの高さ、通路の幅を記載)


移動円滑化基準適用除外認定申請書 第1号様式(第5関係)見本

移動円滑化基準適用除外認定申請書

3.その他注意すること

基準適用除外認定台帳を作成しましょう。

移動円滑化基準適用除外の認定を受けた一般乗合旅客運送事業者は、事業用自動車の運行を管理する営業所毎に「基準適用除外認定台帳」を備え付けておく必要があります。

認定を受けた運輸局管内での変更

その氏名若しくは名称、住所又は使用の本拠の位置(運輸局管内の変更に限る。)について変更があった場合は、移動円滑化基準適用除外認定変更申請書を提出すること。

<例>運輸局管内ではない使用の本拠の位置の変更
東京(関東運輸局管内)から大阪(近畿運輸局管内)へ使用の本拠の位置の変更があった場合は、新規の扱いとなり、変更申請ではなく移動円滑化基準適用除外認定申請書 第1号様式(第5関係)の対象となります。

認定の取消しについて

移動円滑化基準適用除外の認定を受けた者が、その認定に係る自動車について認定の取消しを行う場合は、移動円滑化基準適用除外認定自動車の認定取消申請を提出すること。

認定を受けている車両が減車や廃車となり、なくなった場合はこの申請の対象となります。

貸切バス委託型管理の受委託について

貸切バス委託型管理の受委託で受託者となる貸切バス会社の車両も忘れずに、移動円滑化基準適用除外認定申請を行いましょう。

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